第6章 多重人格
「急に会えなくなっちゃってごめんねー!ほんとさみしい…ねぇ今度また会おうね?」
「もちろんだよ、電話なんて珍しいよねどうしたの?お金に困ってる?前払いしてあげようか?次回その分激しくしちゃうけど」
「きゃー嬉しい〜。でもぉお金じゃないの。ただ私のこと愛してるかなーって思っただけ」
「なんだそういうことか、もちろん愛してるよ」
「私も愛してるよぉ〜、また遊ぼうね?バイバーイ……ほら愛されてる」
「お金で成り立ってるのを愛だと言うなら百瀬さんは可哀想だよ」
「…わかったわよ!全員に聞いてやるわ!!」
さっきから怒ってるのに電話になると声の色が変わる
「ねぇ私のこと好き〜?」
「まあお前都合いいしヤりやすいしすきだわ」
「1番愛してる?」
「嫁の次くらいかな。もちろん体だけなら1番だけど」
「私のこと好きだよね?」
「なに言ってんだよ、俺らはそういう関係じゃないだろ。めんどくさいこと言うなよ」
「み、みなみくんごめんね…とつぜん」
「大丈夫だよ、どうした?今日は社長とじゃなかったか?体調悪くなった?迎えに行こうか?」
「そうじゃないの。みなみくんって私のことどう思ってるかなって」
「好きに決まってるだろ。幼馴染だし」
「ほんとうに?」
「うん、でももうあの頃みたいには戻れねーよな。ゆいなとは今の関係でいいわ」
「…」
「ゆいなもそう思うだろ?また俺たちに恋愛感情なんてないだろ?」
「……うん…ごめん変なこと聞いて」
「おう、じゃあ明日夜また家行くから」
「…待ってるね…」
「これでわかった?ヤるだけならみんな愛なんてくれないの。今無意味なことしてんだよ百瀬さんは」
「そんなこと………」
「まだ否定するの?現実でしょこれが」
「…ならそれでもいい!!愛されてなくてもその人が私を見てくれるなら!!!」
「なんも見てないでしょ!!みなみくんなんて百瀬さんのことなんも知らないじゃん!!!もうこんなことやめな。惨めになるだけだよ」
「うるさいっ!!!仕方ないじゃん…これしか彼がまた愛してくれる方法ないんだから…」