第6章 多重人格
しんとしている空間から少しだけ聞こえるのは話し声
なにも聞き取れないから少しずつ近づいていくと鮮明に聞こえてくる
「……かな」
「…百瀬さんはそれでいいんですか」
「なにが言いたいの?」
「先生には君が幸せのようには見えません」
「幸せだよ〜…先生がこんなことしなければ」
最後の言葉はいつもより低くて俺たちの背筋も凍った
「君には合っていないこんなことしてなにになる」
「ねぇそろそろめんどくさいよ?さっき庇ってあげたのにさ…先生がそのつもりなら私はこうしちゃおっかな」
「なにするつもりですか…」
「きゃーー!!!」
さっきの声が嘘のように高く怯えてる声がした
教室に残ってた奴らもこの叫び声にびっくりして出てきた
「どうしたんだよ!!」
「お前ら見張ってたじゃねーのかよ!!」
「だって急に…」
「百瀬!!」
「みんなっ…うぇっ…えぇ…こわかった…」
涙を流しながらその場で座り込んでいた
さっきまで殺せんせーにも強気で…殺せんせーもそんなことしてなかったはずなのに
どういうこと?俺は夢を見てた?そんなはず…
「…ころせんせーのこと、信じてたよ…」
俺は見逃さなかった
彼女が少し笑ってたことを