第1章 始まり
停学から明けて学校に行くと隣の席に彼女がいた
「えっと…はじめまして、百瀬ゆいなです。よろしくね、赤羽くん?」
もちろん彼女は俺の存在を知らないので自己紹介を始めた
「よろしくね〜百瀬さん」
顔にも態度にも出さなかったけど内心嬉しくてしかたなかった
心の中でガッツポーズしまくったよね
「有希子〜宿題やった?」
「うん、一応やったけどあってるか不安だな」
「じゃあ一緒に確認しよ!!」
クラスでは神崎さんと仲がいいみたいだった
「マドンナとマドンナかぁ」
「俺は神崎さん派だな」
「俺は断然百瀬派だな!」
なんてクラスの奴らも話している
やっぱりモテるんだな
「カルマくんはどっち派とかあるの?」
「んー?」
「カルマは百瀬だろ」
「いや案外神崎かもしんねーぜ?」
「どっちでもいいでしょ」
まぁ俺はずっと百瀬さんに恋してるんだけどね
隣の席ってことは関わることが沢山あるってことだし
こんなチャンスを逃すわけにはいかない
そう思って俺はなるべく話しかけたりするようにした
「わかる?」
「わからない…教えてもらってもいいかな」
「全然いいよ、何がわからない?」
「ここがわからなくて…」
「あーそこ代入必要だよ」
「えっ!そうなの?!」
「うん、だってここが…でしょ?」
「そっか、そっか!!ありがとう!!!」
「全然、このくらいまた教えてあげるよ」
「頼りにしてるね赤羽くん!」
ひとつひとつの仕草や言葉遣いも含めてドキドキして胸が高鳴った、関わってからは俺は本当に好きなんだなって感じることが多かった