第5章 甘い匂い
「おはよー有希子!!」
「おはよう、ゆいなもう大丈夫なの…?」
「うん?ごめんね!なんか心配かけちゃったね」
みなみくんと何話したかは知らないけどそれがよかったのか前と同じように笑う彼女の姿があった
「赤羽くーん?おーい」
「あっなんだった?」
「はいこれ、ぼーっとしてたから代わりに受け取っておいたよ」
「あ、マジかありがとう」
「いえいえ」
手が少し触れてまた香る甘い匂い
気になってついに聞いてしまった
「ねえ百瀬さんってなんの香水してんの?」
「え?香水??」
「うん、なんか甘い匂いするんだよね」
「え、甘い匂い??わたし香水使わないよ。なんだろ…柔軟剤とかはお花の香りだと思うんだけど…く、くさいかな…?」
「いや俺はめっちゃ好きな匂いだよ」
「ならよかった、なんだろう甘い匂いって…」
香水は使ってない、じゃああの人たちと同じ匂いって何が一緒なんだろう…柔軟剤は花の匂いって言ってたし、この甘い匂いは花ではないんだよな…なんだろ…
「食べたくなるような…なんかほら蜜?みたいな」
「え、なんだろう…」
「百瀬さんの体の匂いだったりしてw」
「え、体臭ってことだよねそれやだやだ」
もし仮に体臭だったとして他の人から香ったあの匂いに説明がつかなくなる、もしもあの人たちが百瀬さんならまだしも、全く別人だったんだから体臭ではなさそうだけど