第5章 甘い匂い
カルマside
「百瀬さん成績落ちてますねぇ何かありました?」
「あ、いえ…そんなたいしたことじゃ…」
「些細なことでも聞かせてください」
「ほんとになんにもないです、すみません…次からがんばります」
「ゆいな、大丈夫?」
「うん、ごめん…ちょっと1人になりたい」
すこし俯き気味にスマホととテストを片手に教室を出ていく
「百瀬最近様子おかしかったよな」
「…うん、わたしにも話してくれなくて、それに最近目が合わないっていうか話しててもキョロキョロしてるんだよね」
「それってさなんかやばくない?」
なんとなくだけどやばい気がした
だって彼女は今まで人の目をちゃんと見てよく笑う子だったのに、目が合わないって、なんか見るのが怖くなってるんじゃない?
「よく考えてみるとさ間が合わなくてキョロキョロしてるのだって何かに怯えてる時とかもするし精神的におかしくなっ…て…」
もしかして…精神…?
精神的に不安定になって集中できなくなって成績落ちたとか?ありえない話ではない、むしろそっちの方が可能性的には高い
「精神的に…いやいや百瀬に限って…」
「あ…でも…最近慌ててるような話し方だし手も落ち着きがないかも…」
「もしかしてほんとうに…?」
「にゅや……先生もおかしいなとは思っていましたがそこまでとは…すこしだけ彼女に話してみようと思います」
でも一体なんでそこまで追いつめることになったんだろ?
何が原因なんだろう、それだけはわからなかった思い当たることが俺たちにはなかった、もしかしたら彼女の裏の顔があるのかもしれない