第16章 魔法のかけ方
「…ってなんかお前別人すぎるだろ…」
「うるさいわ」
「クマひどいし顔死んでるし本当に休んでなかったんだな」
「嘘つく必要ないでしょ、私もう寝る」
魔法が解けてしまうと私は死んだようになる
毎日仕事漬けで理不尽に怒られて何もかも上手くいかないそのせいで顔は死んでいる
「パーツ自体は変わってないんだけどなぁ」
歳をとるってこういうのとだよなぁとしみじみ感じる
朝は誰よりも早く起きて私は魔法をかける
「はぁ…魔法なんて今じゃ誰でもかけられる時代……」
こんなのもう必要ない
自分に魔法をかけていると自信がなくなっていく、自分の仕事に胸を張れなくなっていたの事実
「うおっ、ビビった」
「おはよ、みなみくん」
「…ゆいなか!昨日と顔違うからビビったわ」
「昨日とメイク違うしね〜。私魔法使いだからさ」
別人メイクできちゃうのとドヤ顔するけどこんなの誰でもできる、私なんて必要ない、なんて考えてしまった