第13章 本当の名は
花畑から逸れた先、少し森を抜けると、そこには先程の絶景と並ぶくらいの美しい湖があった。
こりゃまた、この島はすげぇな、と呟くエースは、何かが湖で水浴びをしていた。その正体がわかったエースは、ガツガツと足を進めた。
「お前な、熱が下がった途端に水浴びなんかして、またぶりかえる__」
そう言い声をかけるエースは、湖で気持ちよさそうに水浴びをするそいつが、何も身に付けていないことに気づき足を止める。
最初見た時は少年だとばかり思っていたが、やわらかな胸のふくらみも、女らしいその曲線も、細い手足も、女としか見えず思わずやり場のない目を逸らす。看病するときに散々見たが、それとこれは違う。
流石にバツの悪さから、すまん、と一言呟き、踵を返そうとした瞬間。
「____あなたが、看病を?」
そう声をかけられ、足を止める。