第3章 煌帝国
ぎこちない一言だったけど、紅玉には伝わったみたい。
お互い、初めての女友達だったりするのかなぁ。
「そ、それは……わたくしたちはお友達ということで、よろしいんですの?」
「うん」
紅玉の顔がぱぁっと輝く。
「よろしくお願いしますわぁっ!」
「良かったねぇ、紅玉」
「はい!では凛羽さん、早速明日はお出かけ致しましょう!」
「あー、ダメだよ紅玉ー。明日は僕が凛羽を案内するんだからぁ」
「そんな……!お兄様ばかり、ずるいですわ!」
「僕ばっかりって言われてもねぇ……」
独占してる覚えはないよ……?
「り、凛羽さんに訊けばいいのですわ!凛羽さん、明日はどうされますの?」
「え、ボク……?」
自分に意見を求められるとは思っていなかったような顔をしている。
「ボクは……どっちでも、」
「どっちでも、は駄目ですわ!」
「えっ……じゃあ……」
僕と紅玉の顔を見比べ、考える。
「えっと……三人で行くのは、ダメ……?ボク、どっちかって決められないから……」
だめ?と小さい声で訊く凛羽に、僕と紅玉は笑う。
「そうだねぇ、それがいいんじゃないかなー」
「わたくしも、それでよろしいですわ」
「うん、ありがとう……。楽しみにしてるねっ!」
凛羽が、笑った。
あぁ、駄目だ。
やっぱり可愛いやぁ。
ずっと見ていたいなぁ……。
なんてねぇ。