第3章 煌帝国
「あーあ、邪魔入っちゃったー。どうぞー」
「失礼いたしますわ」
なぁんだ、紅玉か。
炎兄だったらどうしようかと思ってたよ。
「どうしたのー?折角いいところだったのにさぁ、タイミングわるーい」
「えっ、い、いいところ?」
僕と凛羽を交互に何度も見てようやく意味を理解したようで、真っ赤になる紅玉。
「おっ、おふたりはまさか、そ、そそそそういうご関係でしたのっ!?」
「あっははぁ、冗談だよぉ。紅玉、真に受けすぎぃ」
「あんた、紅玉っていうの?」
「え、ぁ……」
突然の凛羽の声にどぎまぎする紅玉。
だけど、真っ赤になりながらまた胸を張った。
「わ、わたくしは煌帝国第八皇女、練紅玉ですわっ!……今日は、凛羽さんにお話があって参りましたのよ」
「ボクに……?なに?」
「あの、えっと、その……っ」
また真っ赤になって俯く。
「その……だから、わたくしと、いえ、わたくしの……」
「……?」
「お、お友達になりませんことっ!?」
あ、声裏返ったー。
「とも……だち……?」
「そう、お友達ですわ!一緒に遊びますのよ!きっと楽しいですわ!」
あぁ、紅玉って友達いなかったもんねぇ。
宮殿にいる人ぐらいしか接触しないし?
そこに凛羽が入ってきたら、まぁそうなるよねぇ。
当の凛羽は口の中で何か呟いている。
ほとんど反応がない凛羽に紅玉は心配になったようで、
「あ、あの……凛羽さん……?わたくし、何か失礼なことを……」
と、泣きそうになっている。
泣かれたらかなり面倒くさいんだけどぉ。
「凛羽、なんか言ってあげなよぉ。紅玉が困ってるからさぁ」
ゆっくり僕を見上げた凛羽はどこかぼんやりしているようで。
「友達……友達って、一緒に喋ったり、散歩したり?」
「そうだよぉ」
「ボクと、紅玉が……?」
「凛羽がなりたいと思うなら、ねぇ」
「あの……紅覇とボクは、友達、なの?」
「まぁ、そうなんじゃないかなぁ?」
「そう……そうなんだ……。ねぇ、紅玉」
「な、なんですの?」
「えっと……よろしく、ね」