第7章 トラウマ

「お前ら落ち着け！！」

「落ち着いてられないっすよ！！！」

「ももちゃんは誰よりもバレー好きじゃないですか！！なのにこんな言われよう…許せないっすよ！！」

「そうっすよ！！仮に本当にバレーを愛してなかったとしてもいじめはしちゃダメじゃないですか！！」

「別に信じなくてもいいですけど騙されてるだけですよ」

「努力もしてないあいつなんかに私たちの気持ちわからないでしょうし、先輩たちならわかりますよね？堕ちた烏？でしたっけ？そう言われてますしw」

「僕は百瀬さんがそういう人には見えないな、マネの仕事もしっかりこなしてるしボールも死ぬほど綺麗に磨いてるし、あんなバレーバカそうそういないデショ」

「つ、月島くんはアイツの味方するの！？」

「味方も何も僕は初めから君たちから話を聞こうとしただけだしね」

「なっ！最低！！」

「君たちのしたことの方が最低でしょ」

「アイツが全部悪いんだよ！！たいして努力してないくせに！」

俺たちも怒りたかった
だけど俺らまで怒ったらこいつら誰が止めるんだよ
それにこいつらは俺らの分まで怒ってくれた
そんだけでじゅうぶんだべ

「…百瀬は……百瀬はそんな奴じゃないっす。中学の時からずっと夜遅くまで練習してました。俺は隣のコートでずっと見てました。及川さん達が卒業した後もひとりで残って練習して片付けしてました。たぶん誰よりも努力してました、勝手なこと言わないでもらってもいいですかゴラァ」

「なっ」

「そこまでにしておけ。…百瀬はあの試合をきっかけに塞ぎ込むことが増えたらしい。君たちがしたことは決していいことではないってことだけ心の中に入れておいてほしい。この罪は重いんじゃないかな」

「…っ…も、もういこ！！」