DIABOLIK LOVERS-My blood-
第9章 血雫 9
「う、嘘っ…!!!
十字架が、効かない!?」
嘘だ…ヴァンパイアは、十字架に弱い筈なのに…。
「ヴァンパイアが十字架・聖水・ニンニクに弱いなどと言うのは、所詮人間如きが作り出した幻想…ただの人間が私達に適う訳がないのです。失礼なこと極まりない。」
眼鏡の”ソレ”は、淡々と私達を罵った。だがそれに多少の怒りは感じるものの、何も言い返す事は出来なかった。
「まあ良いでしょう。初日だという事に免じて、貴女方の不躾な言動は忘れることにします。」
眼鏡の位置を右手で直しつつ、”ソレ”は言った。ほんの少しだけ、警戒を解く…そう。ほんの、少しだけ…。
「家も此処で間違い無い…と言うことでしたし、一応兄弟の紹介をしておきます。」
そう言うと後ろを振り返り、1人ずつ紹介をし始めた。
────あそこに寝ているのが、長男のシュウ。
────三つ子のアヤト、ライト、カナト。
────そして、三男のスバル。
「加えて、私が次男のレイジです。」
………あの人、長男だったのか…。長男はさっきから説明してくれているこの人………レイジさんかと思っていた。
にしても……登場初っ端から寝てる、シュウさん…似たような雰囲気の人を、どこかで私は……。