第16章 東京卍リベンジャーズ・佐野万次郎
自身の後始末をしてから
まだグッタリと横たわったままでいるレイナの身体を拭いてやった
『……ありがと…』
恥じらうように目線を逸らした彼女を気にしつつ
隣に寝そべると
レイナはモゾモゾと身体を動かし
俺に抱き付いてきた
「……」
胸元に額を押し付けている彼女の髪に
サラサラと指を通す
艶やかな栗色の髪にずっと触ってみたいと思っていた俺は、不思議な感覚にとらわれた
(……いくら淋しいからって……オレとこんな事すんのを…コイツはどう思ってるんだろう…)
レイナの気持ちが理解できなくて
単純に、ただ知りたいと思った
このまま
上手くいけば付き合いたいとか
そういうのはもう諦めていた
彼女の心の真ん中にいるのは俺ではなく
俺はソイツの身代わりなのだ
" 今もオマエが好きだ " と、素直な想いをぶつけたら
きっと
レイナは昔みたいに笑ってはぐらかすのだろう
それとも
罪悪感を感じるだろうか
どちらにしても
ふたりの関係は終わってしまう
そう思った俺は、自分達のことには触れるのをやめて
もうひとつ別に
ずっと気になっていたことを彼女に聞いた