第1章 出会い
サイレントを付けた銃を構えて、目の前のターゲットへと弾を発射する。
頭を打たれた、恰幅のいい男性は手に持ったコップごと
その場に倒れた。
動かなくなった男性から目を離し、もう一人のターゲットがいる部屋へと視線を向ける。
お屋敷と呼ばれるほどに大きなこの家には、夫婦二人しかいない。
部下から、男性の客人が来訪中だと聞いているが
今日しか襲撃のタイミングがなかった。
屋敷の主人を殺害して、後は婦人と客人だと持っている銃を構え直した。
リビングを移動して、キッチンへと向かう。
そこには飲み物を作っている婦人の姿。
客人はいない様子だ。
家主のそばに客人がいなかったため、婦人のそばにいると思っていたが、見当たらない。
探しまわるより、婦人が会いに行くのを待ったほうがいいだろうか。
しかし、リビングには死体が転がっている。
婦人が見つけて通報されるのも面倒くさい。
今婦人が作っている飲み物を確認すると、一人分しかなかった。
二人分作っていれば、客人の分かもと思ったがそうではなさそうで。
うろうろされるよりも、ここで始末をつけたほうがよさそうだ。
手に持った銃を、婦人の頭に向けて引き金を引いた。