第2章 新プロデューサーはイケメン
資料とDVDを見せられて後にスタジオに通された。
「アンタ達、新しいプロデューサーを紹介するわ」
「はい」
「ようやくか」
スタジオに入ると既に三人が待機していた。
とりあえず挨拶だ。
「佐伯千早と申します」
「あー!アンタ電車の」
そこで一人見知った顔がいた。
「あ、痴漢の人」
開口一番に出た言葉はこれだ。
「楽…君最低だね」
「痴漢はダメだよ楽…」
「してねぇよ!アンタも誤解を生むことを言うんじゃねぇよ」
「失礼しました痴漢に間違われて女子高生に通報されてかけていた方です」
「もっと悪いわ!」
「楽、なんのナンバーワン?」
天使のような愛らしい表情をしながらも毒舌な少年。
「アンタがプロデューサーなのか?」
「まだプロデューサーじゃないですよ?現段階では」
「は?」
「ちょっと!」
姉鷺さんが私を睨むも。
「無条件でプロデュースする程暇じゃない。私はこれでも多忙ななんですよ。その合間に時間を割いでいるんですから見込みがないなら降ります」
「僕達が見込みがないとでも?」
「私は君達を知らない。業界で売れてようが事務所の力で売れている可能性もある…少なくとも実力を見ないと納得しません」
「そう…」
「おい、天下のTRIGGERだぞ」
「楽、落ち着いて!」
一番感情的なのは彼だ。
グループを一番大事に思っているようだけど。
「ショービジネスを甘く見ないでください。例え一時売れていても一時的です」
「てめぇ!」
「時間の無駄だよ。何をすればいいの?」
「簡単です。アイドルならアイドルらしくファンを喜ばせてもらいます」
さてと見せてもらおうか。
君達の実力を。
私を楽しませてね。