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私ただの執事でございます!

第3章 第3章希望の欠片



【紡side】

久しぶりの休日にお洒落をして、何度も鏡をチェックして私はあの人に会いに来た。

「お帰りなさいませお嬢様」

何度か通ってもこの雰囲気に慣れることはなかった。

私が休みの日にここに通う理由は憧れのあの人に合う為だった。

とは言え、彼は指名をすることはできないので運によるのだけど。

「お帰りなさいませお嬢様」

「千早さん」

私は運がいいのか、今日も会うことができた。

「お仕事は…」

「お嬢様のお世話をすること以上に重要なお仕事はございません」

「もう!他の人にも言っているんですよね?」

「手厳しいですね」

苦笑する千早さんに少し拗ねてしまったが、彼はこのお店の執事さん。

しかも執事さんを纏めるリーダー的存在だから多忙だ。
そのことを知ったのは、私がこの店に通い出してからだった。


通常は指名料を支払えば給仕の人を選ぶことができるけど、千早さんだけは指名を取れるのは限られた人だけ。

聞けば千早さんはこのLOYAL GARDENの経営に携わり、プロデュースからマネージメントに営業とすべてこなしている事で多忙だった。

しかも、元は凄腕の執事さんだったと聞く。
その為表舞台ではなく裏方に徹底しているのだけど、限られた人だけは指名を取れるそうだ。

指名は取れなくとも運が良ければ挨拶に来てくれるのだけど。

それでも最近は忙しく週末か夜ぐらいしか会う機会は少ないらしい。

「千早さんに恋人ができたって噂を聞きました」

「おや?」

「最近はお店にいる時間が少ないし…その」

他のお客さんが離しているのを小耳に挟んでしまった。

元からここいらでは千早さんは有名でスカウトを何度か受けているらしい。

秋葉原にある名店のメイド喫茶や歌舞伎町の店を営むクラブのママからも人気な千早さんはスカウトの声が後をたたないとか。

噂ではホストクラブからも勧誘されているとか。

そんな千早さんだけど、仕事命である事からことわっていたらしいけど、最近は外で仕事をしていると聞く。

噂では恋人ができたとか。


どうなんだろう。


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