• テキストサイズ

私ただの執事でございます!

第3章 第3章希望の欠片


【天side】


最近龍の雰囲気が変わった。
第三者からじゃ解らないだろうけど、一緒に仕事をしている僕は直ぐに解った。


今までなら女性アイドルや女優との共演やトーク番組では色々あぶなっかしかったのに。

今ではそんなことはない。
雰囲気も柔らかくなり余裕を見せるようになった。

あの仕事を受けてからだった。

でも一番の理由は違う。


「おい、何言ってんだ龍!」

「俺、君の事が好きだよ」

「はぁぁぁ!」


龍はある意味天然記念物並みに純粋だからね。

多分他意はない。

「お前正気かよ!」

「俺、もっと君の事が知りたいな。友達になりたいんだ」

「あ?」


本当に馬鹿だよね?
龍が好きだと言ったのはそういうことなのに、何を勘違いしたんだか。


まぁ、それ以上の気持ちはあるだろうけど。
本人は自覚が無い。

「恐れ多いです」

「そんなことないよ!千早君って芸能界だけでなく大手企業にも顔が広かったんだね…びっくりしちゃった」

「そうでもないですよ」

へぇー、やっぱり相当なコネクションを持っているんだ。
プロデュースを受けてから思ったけど、大きな仕事が確実に増えていた。

今までは若い女性を狙った仕事が多いのに、最近は三十代の女性をターゲットにした仕事が多い。

ドラマが多かったのに舞台の仕事が増えていた。


本当はドラマよりも舞台に出演したかったから嬉しいけど。

でもどうやって見つけたのか疑問だ。



聞いても教えてくれないけど。


「ハルさん、ダイビングが趣味なんだって。今度CMの出演者でダイビングしてバーベキューをすることになったんだ」

「それは良かった。楽しそうで何より」

「うん、本当は千早君も一緒に行きたかったけど。忙しいよね」

「申し訳ありません。その日は別口で仕事が…」

「いいんだよ!今度飲みに行こうね」


…っていうか、飼い主と犬だね。

この数日で龍はプロデューサーにかなり懐いている。


/ 51ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp