第2章 新プロデューサーはイケメン
いかんんせん、私の部下はかなり過保護だ。
私が女だからという理由を抜きにしてもかなりの過保護っぷりだった。
何で黒いスーツにグラサン?
私をやーさんにしたいのか?そんな自覚はないのだろうけど。
「とりあえず有利」
「申し訳ありませんマスター…止めはしたのですが」
私の補佐でもある有利を見るも、既に説得は不可能だったのか、ファーストフットマンの中でも体格の良い彼が頭を下げる。
「マスター、本日のお勤めご苦労様です。何事もなく安心いたしました」
「右京…」
フットマンを統括するファーストフットマンのリーダーである右京が他のフットマン。
特に体格の良い連中を控えさせている。
「はぁー…尾行して来たの?」
「護衛でございます。なにとぞお許しを…あの無礼極まりない三匹の猿が如きがマスターに無礼をしないかと思いまして」
「お願いだから、闇討ちなんてしないでね」
「お任せください。この右京は先代よりマスターをお守りするように仰せつかっております故…証拠は残さず処理します」
「余計悪い、しなくていい!」
どんだけ真面目か?
冗談も通じないなんて始末に置けないわ。
「相手は素人、しかもまだ子供」
「存じております。あの礼儀知らずな男の息子だと聞きます。本来ならば脅迫して芸能事務所を潰すべくかちこむつもりでしたが」
ねぇ?聞いてた?
私の話をまったく聞いていないよね?
「もういい…店に買える」
「お前達」
「「「はい!」」」
これを第三者の人が見たら間違いなく思うだろう。
私がどこぞの裏稼業の組長ではないか?と。
そんな事実はないのだけど。
でも、うちの従業員には裏の世界の人間もいるのだ。
だから色々厄介だった。