第2章 新プロデューサーはイケメン
【楽side】
何なんだあのプロデューサーは。
「楽、いい加減に機嫌を直せば?」
「そうだよ。悪い人には見えないよ?言っている事はあながち間違ってないし」
「まぁ、お手並み拝見だよ」
最後の最後までコケにされた俺はイライラが止まらない。
「そういいながらまた託児所行く気?」
「当然だ。俺に敗北の二文字はない」
「フーン、まぁ。頑張れば?」
一度の失敗で諦めるなんてカッコ悪いだろ。
何が何でも託児所の子供を泣き止ませて見せる!
「それにしても新しいプロデューサーは不思議な人だったね」
「何がだよ、散々馬鹿にされたんぞ」
「前任とは随分毛色が違うね。立ち振る舞いがモデルのようだったね…それに彼はかなり音楽をしているよ」
「なんで解るんだよ」
「楽譜をちらっと見たけど…あれ、素人じゃまず手が出せないよ。熟練の演奏家が使うものだ」
何時の間に見たんだよ。
本当に抜け目がない奴だな。
「それに彼…僕達を差し置いて既にファンを作っているよ。フェロモン垂れ流して」
「ああ?何やってんだ」
「あー、ここに来るまでにも、事務員や振付師もやられたわ」
姉鷺の言葉に固まった。
嘘だろ?
「プロデューサー、イケメンだよね」
「まぁ、その辺のアイドルやモデルよりも整った顔立ちをしているけど」
やっぱりいけ好かないぜ!