• テキストサイズ

【HP】怪鳥の子

第57章 バタービール


 ドラコが去ってから一時間ほどで、ハーマイオニーがミラの座っている噴水のある広場に戻ってきた。

「----、----ミラ!」

 ミラは自分の名前が呼ばれていると気が付いて振り返ると、ハーマイオニーが心配そうにミラを見つめていた。

「待たせてごめんなさい…大丈夫? 何かあった?」
「ううん、ちょっとボーッとしてただけ」

 ミラは取り繕うようにハーマイオニーに笑顔を向けた。


『グレンジャーやウィーズリーたちが知ったらどう思う? お前が、心の底ではマグルを嫌ってるってことをさ』


 ドラコに言われた言葉を嫌でも思い出してしまう。どう思われてもいいと言ったけれど、本当は強がっていたのかもしれない。どうしてこうもドラコの言葉が突き刺さるのか----この間は闇の魔法使いにはならないと言ってくれたのに、今日は嫌に意地悪だった。


『失望するかな。それとも、怖がるかな。----ポッターはどうだろうな?』


 どうして、こう人を揺らすのが上手なんだろう。見えないけれど、ゆっくり、ゆっくりと蛇に喉を締められているような感じだ。


 ハーマイオニーは静かにミラの様子を見ていた。

「何か悩み事があるなら、私、聞くわ」

「ハーマイオニー、私は大丈夫だよ」

「…でも、あなた…」

「おーい!お待たせ!」

 と、ロンが走ってやって来た。

「ごめん!どれもこれも気になっちゃって…どうかした、二人とも?」

「ううん、ちょっと体が冷えただけ。三本の箒にある、バタービールとやらを飲みに行こうよ」

「そりゃいい。それも楽しみにしてたんだ」

 ロンはミラから自分のお菓子の入った袋を受け取ると、二人を急かすように三本の箒に向かった。

「ああもう、ロンったら」

「ハーマイオニーもほら、行こう」

 ミラはハーマイオニーの手を取ると、ロンに追いつくように引っ張った。ハーマイオニーはいくつも言いたい事をなんとか飲み込み、自分の手を引いてくれているミラの後ろ姿を見ていた。
/ 801ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp