第1章 ぽっちゃり彼女
言わせないで欲しい、と眉を潜めた私に一護は目をぱちくりさせて笑った。
「あはは!美穂子はデブじゃねぇだろ」
「……そう言ってくれるのは、一護くらいだよ」
一般的には、私はデブさ。
ネットの知恵袋で見た!
身長から110をマイナスした数より多かったら、デブと男は認識することを!
「そうか? まぁ、ちょっとふっくらしてるとは思うけど、気にする必要ねぇよ」
「…………」
「健康に害があるなら別だけど、血液検査で引っかかってる項目とかあんの?」
「それは…ないけど」
「じゃあ、別に気にすんな」
な?と笑う一護に、ちょっと喜びを感じるのは私だけ?
二人も妹がいる男は、やっぱり女の子に優しいもんだね。
彼氏がいなかったら、一護に惚れてまうだろー!って思うね、うん。
「檜佐木さん、美穂子に言わないだろ?」
「…言われたこと、ない」
「ほらみろ。男二人が同意見なんだし」
「……うん」
一護はポンポンっと私の頭を叩くと、小さくため息をついた。
「一護?」
何のため息かと見上げれば、一護の視線は道路に向いていた。
「(もう来たのかよ…ちぇ)ほれ。お迎えきたぞ」
「え? あ、修兵!」
白いSUVが道路脇に停めれて、運転席には彼氏がいた。
「じゃあ、一護。またね!ありがとう」
「おぅ」
私は一護に手を振ると、修兵の車へと急いだ。
一応、左右を確認してからドアを開けると、助手席に滑り込む。
「お迎えありがとう」
「どーいたしまして。で、何であいつがいんの?」
「え? あぁ、一護? たまたま、今日来てたみたい」
「へー…たまたま、ね」
「修兵?」
「そんじゃ、行きますか」
「? うん」