• テキストサイズ

~セーラー服と銀八先生~ 銀魂3Z沿い小説

第9章 【第六講】留年するなら三年生で生徒会長になるのもアリかもね


「お疲れ様でした、礼!」
「お疲れ様でした!」

 ○○の声で部員達は頭を下げる。
 とある日の放課後。部員達は汗だくの体で武道場を後にする。

 ○○は一呼吸を入れて伸びをする。
 もうすぐ大会がある。あと少し個人練習をしてから帰ろうと思った所で、入り口から声をかけられた。

「○○殿」
「桂くん?」

 顔を覗かせたのは桂。
 ちょいちょいと手招きをしている。

 ○○は顔をしかめる。下校時刻はとっくに過ぎている。
 桂は部活動など行っていないはずだが、どうしてこんな時間まで学校に残っているのだろう。
 周りにいた後輩達は色めき立っていた。

「部長、告白されるんじゃないですかァ?」
「あの人、先輩と同じクラスの人ですよね?」

 夕暮れの放課後というシチュエーション。
 わざわざ呼び出すというシチュエーション。
 恋愛漫画大好き女子達はキャイキャイと肩を寄せて盛り上がる。

「私としては、呼び出しは決闘の方が盛り上がるんだけど」
「またまたァ、部長ってば、照れちゃって!!」

 ツンッと○○は二の腕を突かれる。
 こういう女子高生のノリは、部活に入って初めて知ったものである。

 桂が○○にちょっかいを出そうとも、こんな風に乙女的反応をする女子は3Zには皆無。
 色恋沙汰はあるが、キャイキャイという雰囲気は○○の周りには存在していなかった。
 3Zにあるのは男達がストーカーで、一方的に○○や妙達、女子に殴られるという一幕のみ。

「あれ、桂先輩ですよね。私の友達で、桂先輩が気になるって子がいるんです」

 後輩の言葉に○○は目を剝く。

「なんですと?」
「凛とした美貌がたまらないって言ってました」

 ○○は震える。
 内面を知らないということは、実に恐ろしい。
/ 226ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp