第20章 【第十六講】『やっぱり』猫『が好き』
「○○のスリーサイズ測ったのは担任だったんだな」
珍しく沖田が○○の席に来ている。
医師による特別授業を終え、生徒達は教室に戻っていた。
三限の時間だが、自習となり授業は行われていない。三限は国語。担当は銀八だ。
「だから、測られてないし。今日何? 朝からSMプレイしてたし、発情期?」
「あの程度じゃ、俺のSは収まらねーよ」
「何、俺のSって」
意味は不明だが、何となくわかるような気がすることが不思議だ。
「じゃあまた、さっちゃんにでも……あれ、いない」
教室を見回したが、さっちゃんはいなかった。
恐らく、銀八のストーキングをしているのだろう。
銀八は今、職員室で謝罪をさせられているはずだ。
無断欠勤をしていると思われていた銀八だが、健康診断を行っていた医者こそが銀八だった。
銀八は勘違いから医者を昏倒させてしまい、偽医者として健康診断を行っていたのだった。
「風紀委員が堂々とサボってんじゃねーぞ」
○○に付き纏う沖田に業を煮やし、土方が自席を離れてやって来た。
教師不在のため今は自習時間という名目だが、真面目に自習を行う生徒など3Zにはほぼいない。