第12章 【第八講】発売から随分経ってるから(略)作品がわからない
「土方くん?」
掃除をサボり、ずっと遊んでいたのは土方以外の三人である。
濡れ衣を着せられている土方は声を上げる。
「何言ってんだ! てめーらがサボってたんだろーが!」
三対一、さらにトイレを抜け出ていた土方を○○は目撃している。
戻ってみれば、こうして三人はモップや雑巾を手にしている。
その言葉には説得力がない。
「土方くんだけは真面目に掃除やってんだろうなって思ってたのに、実際には一人でサボって、三人に任せてたの? がっかりだよ」
「そうだよ、○○をがっかりさせんなよ、土方くん」
「何が土方くんだ!!」
沖田は土方を茶化す。
修学旅行で距離を縮めた風紀委員の面々は、○○を名前で呼ぶようになり、○○は沖田を総悟と呼ぶようになった。
だが、土方と○○は変わらず。
「ま、こうして無事に掃除を終えられたんだ。トシのサボりも水に流そう」
「サボってねェ!!」
昇降口の前で○○に捕まった土方を山崎は見ていた。
そそくさとトイレに戻り、近藤と沖田に報告。
○○のことだから偵察に来るだろうと、三人は急ピッチで清掃を仕上げた。
自身が真面目に掃除をしていなかったことを隠すため、近藤は土方を売った。
「大体、総悟のその白々しい爽やかさは何なんだ! 腹が立――」
怒りマックスで荒げた土方の声が、突然のドオオオオオンという爆音で掻き消された。
呆気に取られる五人。窓の外には砂塵が舞っている。
しばしの沈黙ののち、○○が口を開いた。
「……体育館が、消えたね」
何が起こったのか――
答えは小説版第三弾をお手に取ろう。
【第九講】へ続く→