第12章 【第八講】発売から随分経ってるから(略)作品がわからない
そんな中、○○は割り振られた職員室で、割り振られた作業を行っていた。
否、怠っていた。
「先生! これ片付いたので、次!」
「わ! ビックリした! 何だよ、もう!」
銀八のデスクの脇からにょきっと突き出た○○の腕に、声の主――ハタ校長が頓狂な声を上げる。
○○の姿は書類の山に隠れ、ハタからは死角となっている。
ジャンプを掲げる腕の主。
その姿を見ようとハタが覗き込むと、○○の頭上に触角がプラプラと現れた。
むんずと○○はその物体を掴んで引っ張る。
「先生! 次の号、まだですか? ま・だ・で・す・か!」
「い・で・で・で・で! 余の触角は呼び鈴じゃねーぞ!」
言葉に合わせて引っ張られ、ハタの目の端には涙が浮かぶ。
「○○、そんな汚ェもん触んな。これやっから」
銀八は自身が読んでいたジャンプを、触角を掴む○○の手に近づけた。
「きゃっほーい」
○○は嬉々としてジャンプを開く。
気になるなるなる最終回。