第9章 宮侑
試合はMSBYの勝利に終わった
拍手を送った
キラキラしてたな侑
その顔大好きなんだよね
ずっと前から
選手は退場していくと思ったら侑は私の方へ向かってくる
「なかなか会えへんくて寂しい思いもさせたかもしれへん。それやのに喧嘩なんて付き合うてから一回もしてへんし、ゆいなにむっちゃ我慢させたよな」
突然のことでうまく声が出なくて
私は首を横に振った
「よくゆいな言うてたやん、嫌なところないのかって、俺なずっとない言うてたけどちゃんと考えてみてん」
嫌なこと今ここで言われる公開処刑的なやつ?
少し身構えると
「俺らなかなか一緒に居れへんからお互いのことよう知らんのやないかなって、やからこれからはお互いのこと知って知った分喧嘩してみいへん?」
…それって
「俺と生涯共に過ごしてくれへん?」
会場がワッと一気に盛り上がる
「お互いの悪いところ見つけあって言い合って喧嘩して仲直りしいへん?………やから…俺と結婚してください」
花束を私に向けてくれた
私は涙が出てきた
私もずっと喧嘩したかった
喧嘩がないから本当は興味がないんじゃないか不安になることだってあった
私侑のこと何も知らない気がして寂しかった
嬉しくて嬉しくてたまらなかった
声が出なくてたくさん頷いておいた
すると侑はガッツポーズを見せた
「むっちゃ抱きしめたい!!ゆいな!愛しとるで」
ただでさえ恥ずかしくて嬉しくて涙止まんないのに
こんなのもっと止まんなくなる
あの頃みたいな可愛い笑顔を見せるから
「私も、愛してます…っ」
精一杯の声を出して侑に届けた
私の告白