• テキストサイズ

黒愛 -Before the love-

第3章 encounter



「よかった。頼んだよ。
では、行っていい。」

「………はい。」

言われた通りに部屋を後にしようとした時、先ほどの冷たい声が私を呼び止めた。

「おい。」

見ると、リヴァイ兵長が私を見つめている。

「お前、そのクソ長ぇ髪、どうにか出来ねえのか。」

「………………。」

私の髪はゆうに胸元よりも長い。

確かに戦闘には不向きなのかもしれない。

でも。

「申し訳ございませんが、これだけは切りたくありません。」

きっぱりと言う。

ウォール・マリアが陥落した時、私は訓練兵だった。
女手一つで私を育ててくれた母は、その時死んだ。

母譲りの黒の長髪は、私にとっては形見みたいなものだ。

まさか言い返されるとは思っていなかったのか、リヴァイ兵長は何も言わない。

「壁外調査の時は結いますし、この髪と心中することになっても構いません。」

もう一度きっぱりと言うと、私は部屋を後にした。

/ 18ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp