第2章 理由
キーンコーンカーンコーン
「ふぁぁー!つかれたぁー。」
「陽月華ー、まだ1時間目終わったばっかだよ?」
「だってつかれたんだもーん!」
そう言ってあいりは呆れたようにため息をついていた。
「そいえばさ、羅衣斗、また喧嘩したの?懲りないねぇ。」
あいりにそんなことを言われてふと羅衣斗を見てみると確かに腕あたりに刃物が当たった時にできる擦れ傷が出来ていた。
「ほんとだ。あいつ、もう何言っても喧嘩やめないんだから。」
(おい、陽月華の横顔がそれまた美人だぞ!)
(お前、声大きいだろ!聞こえるぞ!まぁ、美人なのは分かるけどよ)
またあそこの男子。知らないフリをして私は羅衣斗の所へ行った。
「ねぇ羅衣斗、また喧嘩したの?もうやめなよ。」
「あ?陽月華にはかんけーねーだろが。うるせんだよ。」
「私幼じみじゃん!少しは頼ってよ!!」
私は好きな人にこんなことを早く辞めて欲しいだけなのに今日も羅衣斗は言葉遣いが荒い。
「お前みたいなやつ、たよっかよ。」
「はぁ。でも今日もまた一緒には帰ってくれるんだよね?」
「どこだかの親がそーしろっつてんだろ?しゃーないだけだ。」
そう言いながら羅衣斗は耳が赤くなっていることに私は気づいた。
「耳赤いよ?」