第1章 出会い
出会った頃は、やんちゃで小学校の頃は女子からはすごくモテていて。
だけど、いつからだろう。羅衣斗くんはやんちゃで優しかったのに、不良になってしまって。あの時の羅衣斗くんの面影が無くなってしまっていた。
羅衣斗くんは喧嘩はそれほど強くはない。はずだったのに。今では、ヤンキーとして私の住んでいる地区を仕切っている組織に入っている。
「はぁ、改めて思うとあの時が懐かしいよ。」
「何が懐かしいだって?」
隣から聞こえてきた声に振り返れば私の友達のあいりだった。
「え?あぁ、昔のことを少し思い出してただけだよ!」
昔。そう、羅衣斗がまだこんなことになってなかった時のこと。
「授業中なんだからあんまりぼーっとしてたら怒られるよ?」
あいりはこういう時だけは真面目なんだよなぁ。
そんなことを言われながら、私の頭は昔に遡っていた。