第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
暫く森を散策していると、先頭を歩いていたセベクが奇妙なものを見つけたと早足に戻ってきた
全員で行ってみると、開けたところに7本の巨木が等間隔に生えていた。奇妙なのは、その巨木のそれぞれに異なる絵が描かれてあったことだった
赤いハートやオレンジの背景に白い星が散りばめられた四角、クリスマスツリーとプレゼントが描かれたものもある
そして、何よりも一同の目を引いたのは、真ん中は大きなジャック・オ・ランタンが描かれていた巨木
『これ、ドアになってる』
ユウ『ホントだね。全部にドアがついてる』
エペル『なんだか不気味..』
トレイ『エペル、あまり近づかない方がいい。みんなも用心してくれ。何が起こるか分からない』
ジェイド『そうですね。試しにこのカボチャの扉を開けてみましょう』
ガチャ
エペル『あっさり開けた!』
ユウ『ギャグみたいな流れだったな』
リドル『無用心なことをするな!』
トレイの言うことを普通に無視してジャック・オ・ランタンの扉を勢いよく開ける。全員が身構えるが特に何も起きることはなく、ジェイドは残念そうに眉を下げた
一方、何も来ないと分かり1人スカリーは扉の奥へと身を乗り出し下を覗き込んだ
スカリー『なるほど、下に空間があるようですが底が見えません。一体どこに繋がっているのやら。何か中を確かめる方法があればよいのですが..』
その時、穏やかに流れていた風が突風となってスカリーの体を押しやった。その風はまるでスカリーを呑み込もうと扉の中へと吸い込まれていき、細身の彼の体は勢いに押されそのバランスを崩した
スカリー『お、落ちる!誰か助けて!』
ぱしっ!
グリム『ふなっ!?オレ様の尻尾を掴むんじゃねえ!あわわ..ユウ、助けろー!』
ぱしっ!
ユウ『はぁっ!?ちょ、掴まないでよ!!あ、足が引っ張られる!』
『!!ぇ、ぁ、ぁぅぅぅ〜..!』
スカリーがグリムを、グリムがユウの足を掴み、ユウと手を繋いでいたが巻き込まれ突風に押し流されていく
ユウ『わあああ!!ごめん、!!』
『ぁぅ、えっと、ど、どうすればいい?』
ユウ『誰でもいいからそこらへんにいる適当な人を掴んで!!』
『えと、じゃあ..』