第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
スカリー『しかし筆記具に魔法石がついているとは。しかも、全員揃いの魔法石ではありませんか。それなら魔法石の質によらず、全員が同じ条件で魔法を使用できますね。平等で、素晴らしい配慮です』
リドル『君の学校は違うのかい?』
スカリー『違いますねぇ..誠に申し訳ないのですが、これ以上は学校の話は控えても?我輩はあの場所が好きではないのです。
みんな頭空っぽの愚者ばかり。話す価値もございません。あの者たちの誰一人、我輩の苦悩を理解できないのだから..』
悲しげに、そしてどこか怒りを孕んでいるような呟きが閑散な森にポツリと溢れる。ため息一つ吐き物悲しそうに俯くスカリーに、の胸に不安が募る
『(すごく悲しそう..)』
これ以上、学校について語りたくなさそうなスカリーに彼の素性を詮索するのは一旦中断し、一同はこの謎の森から脱出する方法を考えることにした
魔力が途中で途切れていることもあって、魔法での脱出はできない。しかし救助を待つだけなのも良くないということで、全員でこの森の周辺を散策してみようということで移動を始めた
ユウ『足元気をつけて。あと、僕から手を離しちゃだめだからね』
『ん。ありがと』
リドル『スカリーはかなり紳士的だと思っていたけれど、君も負けず劣らず良い立ち振舞をするね』
ユウ『彼と違って誰でもじゃないですよ。にだけ限定です』
『ユウはいつも優しくて、しんしてき?だよ』
リドル『ふふっ。これは僕も負けてはいられないね。反対の手をとってもいいかい?』
『ん、いいよ』
差し出された手に重ねると、リドルは嬉しそうに笑みを見せしっかりと指を絡ませた
リドル『君はいつも危なっかしいから、僕が隣で守ってあげよう』
『んふふ、嬉しい』
スカリー『(ああ。なんて羨ましい..)』