第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
のっぴきならない状況に痺れを切らし、リドルはその場で1人高く手を上げる
リドル『..これは緊急事態と判断します。寮長及び副寮長の集合を願います!』
レオナ『ああ。テメェらにもせいぜい無い知恵を振り絞ってもらおうか』
リドルの言葉に頷くと、各寮の寮長と副寮長は少し離れた場所へとぞろぞろ集まっていく
残されたのは..
セベク『..って、僕たち一年生以外みんなじゃないか!』
ユウ『頼もしくていいじゃん』
『でもすごいお荷物になっちゃった』
エペル『ほっとするような、悔しいような..はっ!』
複雑な感情に苛まれていると、ふと視界の端に拘束されたままのスカリーがこちらを見つめているのに気づく
エペル『し、縛られたままこっちを見てるよ..』
グリム『なんかすげー助けてほしそうな顔してるんだゾ』
スカリー『....』
引きつった笑みでこちらをじっと見つめるいたたまれない姿に、一年生5人は気まずくなり思わず視線をそらした
『離してあげた方が..』
セベク『馬鹿を言うな!相手は得体の知れない不審者だぞ。若様の許可も出ていないのに勝手に拘束を外して襲いかかってきたらどうするつもりだ』
『でも可哀想だよ』
エペル『う〜ん..とはいっても』
ユウ『怪しいのには変わらないし、先輩たちのお話が終わるまでそっとしておこう?』
『むぅ...
ねぇ....カボチャさん』
ユウに宥められるも、目の前の彼があまりに不憫に思い居ても立っても居られず、少しだけ彼に近づいて呼びかける
セベク『おい!』
エペル『チャン!』
ユウ『もう。ああいうところはほんとに頑固だなぁ』
スカリー『カボ、チャ?いえ、我輩はスカ、』
『ねぇ、カボチャさん。いきなり動けなくして、怖がらせてごめんね。今は離してあげられないけど、レオさんたちのお話が終わったらきっと離してくれるよ。あの人たちは絶対に酷いことしないから』
スカリー『...』
『もしレオさんたちがダメって言っても、私がなんとか離してあげるように言うから。だから、もうちょっと待っててね。
それと...さっきは助けてくれてありがと。ちゃんとお礼言えなくてごめんね』