第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
ユウ『(わぁー、めちゃくちゃ嬉しそう)
ええーっと..根暗先輩とうるさいのもいるってことは、あの時古本市に集まってたメンバーみんなでここに来ちゃった感じですかね?』
ジャミル『そうだな。あの本の近くにいた面子は俺達だけ。ということは、他の一般人はいないはずだ』
ユウ『なら.."あれ"は何でしょうね?』
レオナ『...で?
テメェは誰だ?』
その瞬間、一斉に全員の視線と芯まで凍りそうな殺気が先程から一言も発さずに立つ謎の青年へと向けられる
自分たち以外のこの場にいる唯一の人間。素性も名前も知らない不審者である彼を、いつの間にか全員で囲むように陣取り戦闘態勢へと身構える。一方、近くにいたレオナはユウとその背に隠したの前に立ち、ヴィルはの肩を抱き寄せ守りの姿勢をとる
並の人間なら四方を囲む殺気と圧に、怯えて身動き1つ取れないであろう状況にも関わらず、青年はその笑みを絶やさずに恭しく頭を下げた
スカリー『お初にお目にかかります。
我輩の名はスカリー・J・グレイブス
皆様とのこの良き出会いにキスを。
..いや、今はそんなことを言っている場合じゃないのかな?』
冷や汗が伝い、初めて青年の顔が焦りを見せた。名乗ったその瞬間に、彼の体が魔力の光の輪によって拘束されたのだ
魔法を放つ動作も音も立てず青年スカリーに拘束魔法をかけ、彼の左右からマジカルペンを手にしたジャミルとセベクがゆっくりと近づく
ジャミル『なんだ。ちゃんと状況が分かっているじゃないか』
セベク『不審者め。妙な動きをしたら、どうなるか分かっているだろうな!』
スカリー『まさか名乗る前から拘束魔法をかけられるとは思ってもおりませんでした』
ジェイド『ジャミルさんとセベクくん、素早い対応でしたね。状況を把握するなり拘束するとは流石です』
マレウス『見知らぬ場所に見知らぬ衣服。そして見知らぬヒトの子とくれば..』
ヴィル『どう考えても、怪しいわよね』