第4章 第三章雨の日の秘め事
【万理side】
泣きじゃくる奏音さんが愛しくてたまらなかった。
俺の事を好きだと言う彼女が可愛くて愛しくて守って上げたくなった。
「もう一度キスしていい?」
「はい…」
まだ泣き止んでいないけど、それでも笑ってくれた。
その笑顔が何よりも嬉しかった。
「万理さん大好き」
「俺もだよ…」
でもまずいな。
このまま襲いたくなった。
こんなに無防備で可愛らしい事を言われたら色々我慢できない。
「万理さ…」
「今すぐ手を出しそう」
「へ…」
今の奏音さんの恰好いわゆる彼シャツの状態でかなりまずい。
男装の時は露出はほとんどなかったけど、今は女性らしさが半端なく、色っぽい。
「いや、ここでするのはまずい」
「万理さん」
「いや忘れて」
今の奏音さんはやばい。
色気もある上に少し涙目でか弱く感じるから、思わず襲ってしまいそうになる。
いや耐えろ俺。
俺は紳士。
俺は紳士だ。
千みたいに来るもの拒まずなんてないだろ。
無理に行為に及んで嫌われたらどうするんだ。
「万理さん、私…」
「いや、今のは忘れて。俺も男だからそういう欲望はあるけど。それだけじゃないから」
「はい…」
素直に頷かれ俺に胸に身を寄せる奏音さんは可愛い。
でも、問題があった。
律さんと響也さんに報告をしないと。
ニ、三発殴られる覚悟ぐらいはしないとダメだろう。
「うー…」
「奏音さん?」
「ぐー…」
「ここで寝るの?ちょっと!」
安心したのか俺の腕の中で眠る奏音さんを見て困り果てた。
普通ここで寝るのかとも思ったが気に抜けた表情で眠る彼女に怒りはなかった。
「お休み」
隣で寝顔を見ながら抱き寄せながら俺も眠ることにした。
とりあえず、二人に殴られる覚悟をしておこう。