第4章 第三章雨の日の秘め事
今日一日晴れだった天候は見事に外れた。
そして外は大雨で、道路も通行止め状態。
現在電車も止まる程の大雨で私達はとんでもない状態にいる。
「風邪を引くといけないからちゃんと温まって来てね」
「えっ…えーっと」
「これタオルね」
「あの…」
現在万理さんのマンションにて私は着替えを渡されお風呂場に無理矢理入れられている。
「万理さん、別にいい…」
「ダメだよ。しっかり温まってね」
有無を言わさず私を脱衣場に置いたまま出て行く万理さんに私は困り果てた。
どうしよう。
二人で営業に行くまでは良かった。
帰りに大雨に降られてしまって、ずぶ濡れ状態で万理さんのマンションに駆け込み、現在に至る。
車は点検中で電車で来ていたのが仇となった。
「まずい…何とかこの場をなんとかしないと」
とりあえずお風呂に入って、早々に帰ろう。
シャワーを浴びてメイクを急がないとね。
今までだって上手くやり過ごしたんだから、大丈夫だと言い聞かせながらウィッグを取る。
普段は茶髪のウィッグを着けている。
「ふぅーすっきり」
服を全部脱いでさらしを外した時だった。
「奏音君、着替えを渡すのを忘れ…」
「え…」
ドサッ!
最悪なタイミングで万理さんが脱衣所に入って来た。
「へ…奏音君?」
「きゃあああ!」
裸を見られてしまった私は思わず悲鳴を上げてしまった。
「わぁぁぁ!」
同じように万理さんが声を上げるも私は上だけ着てその場から逃げた。
「ちょっと!そのままで外出ちゃダメ!」
「帰る!」
「だからその恰好…ズボンを履いて…胸のはだけているから!」
「来ないでください!」
この時私はテンパっていて、真面な判断ができなかった。
何より万理さんに女だってバレたことで動揺していた。
「待って…待ってたら!」
「あっ!」
急いでいた私は足を滑らせよろけてしまい倒れそうになった。
「危ない!」
頭からぶつかると思った時だった。
万理さんが私の腕を掴み抱き寄せてくれた。
「うっ…うう」
「大丈夫?怪我は…」
「ないです」
強く抱きしめられ私は身動きが取れないままだった。