第3章 第二章新しい星の誕生
絶対に困っている。
仮に俺が奏音君の立場だったら困るかも。
「私はめんどくさい人間ですので…万理さんに負担をかけると思います」
「そんなことないよ」
「律と響は家族同然で、真琴は弟のようなものだからまだいいんですけど…重いようで」
悲しそうな表情をする奏音君を見て俺はふと思った。
まさか誰に言われたのか?
「私はその…おかしいらしくて」
「はぁ?誰だよ。そんな馬鹿なこと言うの。何様だよ」
「え?」
あっ…つい昔の口調が出てしまった。
言葉がかなり荒くなってしまったけど、そんなことを言った奴がむかついた。
「普通って解らなくて…私も家庭環境が複雑で。あの二人といる時よく言われたんです。恋人でもない癖にべたべたするなんておかしい…異存だって」
「そんなの当人同士の勝手だよ。外野が口出しする事じゃない。律さんと響さんが好きで君といるんじゃないか」
「はい、二人にも言われました」
あれだけイケメンの二人だ。
さぞ女の子からモテただろうけど、二人は奏音君が大好きだから嫉妬の対象になったのかな?
「私の距離感はかなり極端なので…その自分でどうしたらいいか解らなくて」
「ごめん、俺が無神経だった」
「いえ、気を使わせてすいません」
俺は何やっているんだ。
悲しい顔をさせる為にあんなことを言ったんじゃないのに。
結果的に傷つけてしまった。
「私は万理さんに言えないことも確かにあります。でも今目の前にいる私は遠野奏音です。それだけは忘れないでください」
「うん。解ったよ」
俺の目の前にいる奏音君も一部である。
「万理さん…知らない方が良いと思う事もあります。私の全てを知ったら幻滅するかもしれません」
「え?そんなことはないと…」
「いいえ、断言します。万理さんはドン引きします」
何でそんなキリッとした表情で言うかな。
「もし万理さんにそんな目で見られたら…立ち直れない」
「え?そこ?」
そんなこと言われると自惚れてしまいそうになるんだけど。
「残り僅かの時間を悲しい色で塗りつぶしたくないです」
「え?残り僅か?」
「はい、行ってませんでしたか?私は三か月後には事務所を辞めることになっているので」
「え!」
そんな事聞いてない!