第3章 第二章新しい星の誕生
事務所にとってタレントは子供のようなもの。
「私達にとってタレントは子供です。子供を信じない親が何処にいましょうか…彼等が命を削った証を汚さないでください」
「奏音君…」
「例え審査員がどんな評価をしても、ファンは見ている。ファンを信じます」
純粋の彼等のダンスを愛してくれているファンの判断を信じる。
「馬鹿じゃないの。ファンなんてただ這い上がるだけの道具よ!」
「そうよ人気になる為の利用価値しかないわ」
「君達いい加減に…」
ガァン!
「ひぃ!」
「あんまり舐め腐ってると潰しますよ。小娘が」
「えっ…ああ」
この女。
私の前で一番言ってはいけない事を言ったわ。
「ファンを侮辱する人間にステージに立つ資格はない。ファンを愛せない人間にアイドルを名乗る資格はない」
「あっ…ああ」
「今すぐこの場から去りなさい。去らないと…」
「ひっ…」
「いやぁぁぁ!」
そのまま怯えて逃げて行った。
「怖い…あの優しい奏音さんがキレた」
「おっかねぇ!怖いぞ…」
「環君泣かないで…僕も怖かったけど」
少しばかり熱くなり過ぎた。
「お見苦しい所をお見せして申し訳ありません」
「いや、アンタ…かっこいいな」
「抱かれたい男ナンバーワンに八乙女さん言われるなんて光栄でございます」
「いや、本当だぜ?あいつ等幸せ者だな」
テレビで見る彼とは異なり幼さが残るけど好青年だった。
「どうした?」
「いいえ、随分と好青年な方だと…」
「そうか?」
恐らくそういうイメージで売っているのだろう。
「最終決戦では私達は負けませんのよろしくお願いします」
「ブッ…アンタ良い性格しているな。さっきと言い。決勝に勝ち進つもりか?」
「素人に負ける気はありません」
「奏音さん…」
万理さんが頭を抱えるけど、私だって言われっぱなしは詳しいし事実だわ。
「王者TRIGGERでも負ける気はありません。ステージに立てばプロだろうとアマチュアも関係ありません」
「当然だよ。容赦はしない」
「ええ。彼等を徹底的に叩き潰してください。けれど、簡単に潰されませんが」
本気で来てくれるのはある意味誠意だから。
もし敗れたとしても、彼等の財産になるのだから。