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『IDOLISH7』世界で一番好きな人

第3章 第二章新しい星の誕生




準決勝に勝ち進み順調にだったはずだった。


「大変です!」

「どうしたのマネージャー」

「衣装が!」

準決勝前に紡ちゃんが大慌てで駈け込んで来てある物を見せた。

「これは!」

「何だよこれ!真琴達の衣装じゃねぇか!」

ビリビリ裂かれた衣装を見て絶句する。


「控室の鍵が壊されていて…荒らされていて…それで!本当に申し訳ありません!」

「待ってください。マネージャーは鍵をかけてました。なのに…こんな」

几帳面な紡ちゃんがカギをかけ忘れることはない。
一織君も確認したと言っていたから故意的だ思うけど。

「問題ないよ」

「ああ」

「想定内だ」


こんな事で騒ぐことはない。


「それ練習用だから」

湊がさらりと言い放った事で紡ちゃんやIDOLISH7の皆は驚く。

「無名のタレントが目立てば嫌がらせはされるなんて想定内だ。奏があらかじめ練習用と本番用を分けて置いたから問題ない」

「え?そうなの?」

「まぁ、この世界で嫌がらせなんて日常茶飯事だし。衣装を破いたり、妨害はあり得るから」

三人もバックダンサーとして仕事を貰った当初はやられたから。

まぁ、その場しのぎでなんとかしたけど。

「相変わらずくだらない事をするな」

「本当に…そんな暇があるならレッスンしろよ」

「まぁ、所詮は実力のない三流がやる事だしね」

嫌がらせ程度で揺らぐほど彼等は弱くない。
なんせ響と律の扱きに三年間くらいついて来たのだから、きっと大丈夫。


「お前ら、この程度で怒るなよ?じゃないと生き残れねぇよ」

「マコ兄…」

「マネージャーがそんな顔をするんやねぇぞ紡。俺は鬼プロデューサ陣に扱かれてんだ」

「鬼とは失礼な」

「あ、鬼軍曹でしたね」

可愛い顔をして中々言うんだから湊ったら。


でも、期待をかけていたから厳しくしたのは事実だ。

「俺達の狙いはTRIGGERとの一騎打ちだ。他は目もくれねぇ!」

「当然だ」

「嫌がらせなんて有名税だよ」


だから私はどんな結果になっても彼等を信じている。


そして準決勝が行われることになった。

しかし、そこでもまたしてもアクシデントが起きた。
準決勝目前で音響が壊れてしまい音楽を流す事態になってしまったのだ。


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