第3章 第二章新しい星の誕生
【天side】
ダンスフェスティバルが開催され、このフェスティバルはアイドルは勿論ダンサーも参加する。
中にはアマチュアの参加も許され。
ここからデビューが決まる人も少なくない。
なんせ、主催者が日本でも有数のショービジネスをしている人で実業家としても有名な元ダンサーで振付師でもある。
藤原先生には僕達もデビュー当時にお世話になった。
彼はあの八乙女社長ですら、レッスン中は口を挟むことは許さない程の完璧主義者で僕も嫌いじゃない。
内の社長は利益重視でファンの事は二の次だけど藤原さんはファンを第一に考える人だ。
先日もレッスン中に楽がダメ出しをされていた。
「楽、やり直しだ。野暮ったい」
「は?」
「お前の手は飾りか?猿のような手で踊るな…ダンスが汚れる」
「猿…」
抱かれたい男ナンバーワンと言われる男に堂々と言える藤原さんは流石だ。
「最近のアイドルは質が落ちたな。私のお気に入りのダンサーには遠く及ばないな」
「ダンサー?」
「ああ、素晴らしパフォーマーだ。とは言えアイドルではなく歌手だが」
懐かしむのような表情の藤原さんは眉を下げながら思い出す様に語りだした。
「私が彼女に目をつけたののはライブハウスだ」
「ライブハウス?」
「今でも根強い人気がある。Stella Quintetだ」
「「え!」」
藤原さんの言葉に僕は直ぐに反応した。
「十年前に消えてしまったが…彼ら以上のアーティストはいない。今でもゼロが伝説になっているが私は、彼等こそがゼロを超える逸材だと思っていたんだ」
「そんなにすごいのか?」
「楽…君馬鹿でしょ」
この時僕はこの男は何でアイドルなんだろうと思った。
「何だよ!喧嘩売ってんのか!」
「楽、お前もぐりだな」
「先生もなんだよ!」
この業界の人間なら知ってて当然だよ。
あのStella Quintetをらないなんてありえないよ。
「インディーズ時代から人気のあるアーティストだよ。メディアにはほとんど出ていなかったけど」
「売れなかったのかよ」
「君本当に馬鹿でしょ」
その逆だよ。
人気がるけどテレビに出なかったのは彼等のプライドなんだから。