第1章 ランウェイ☆パニック(レオヴィル)
「悪ぃな兄貴。俺も今日はヴィルに馳走になるって約束なんだ」
「それならヴィル君も家の城に来ればいい。パーティーはゲストが何人いてもいいからな」
「僕もおじたんのお友達とご飯食べたーい!ねぇ、いいでしょ?」
チェカに頼まれては仕方がない、と
19時に鏡の間に集合しレオナが案内することになった
念の為にヴィルにも実家でパーティーがあるから顔を出すと
連絡を入れておく
18時50分
鏡の間にはレオナとエペル、ジャックと
不本意そうなヴィルがいた
「随分と不機嫌そうじゃねえかヴィル。そんなに俺と肉が食いたかったか」
「違うわよ。アタシはアンタと違ってスキンケアやマッサージがあったのに…国王様に誘われては仕方がないわ」
「げぇ〜ヴィルサンも来るのが。まーた節制しろとか肉ばかり食うなとか言われるんだろうな」
「そんなもん、ウチの兄貴が言わせねえよ。ほら、行くぞ」
鏡に順番に身体を埋め、レオナの実家のある夕焼けの草原へと向かった
「やあ、みんないらっしゃい。…と君が世界的モデルのヴィル君だね」
「お招き頂きありがとうございます、国王様。チェカ王子にこれ、お土産よ」
ヴィルは最敬礼をし、チェカに手土産を渡した
「ありがとう、ヴィルおねーたん!」
「うふふ、アタシはお兄さんよ」
「おう、チェカ。もっとおねーたんって言ってやれ。いででっ」
レオナの軽口にヴィルは耳を引っ張る
それを見たファレナもレオナの耳を引っ張ろうとしたが
レオナによって手を跳ね除けられた
「ここで立ち話もなんだから早く中へ入りなさい。レオナ、中庭への案内を頼むよ」
「チッ。はいはい」
『おかえりなさいませ、レオナ様』
『いらっしゃいませ、シェーンハイト様』
『ハウル様』
『フェルミエ様』
深々とお辞儀をしての出迎えと煌びやかな内装に
キョロキョロとしてしまうエペルに
「やめなさい、はしたないわよ」と
ヴィルが制止する