第1章 ランウェイ☆パニック(レオヴィル)
ジャックがチケットを2人分貰ったものの
エペルは既にヴィルから貰っているだろうからと
ラギーを誘ったところ、その日はバイトがあるからと断られ
レオナを溺愛しているチェカに譲ると言い出した
それなら国王様にと自分の分も譲り
ラギーが箒でチェカの部屋を訪ね受け取ったという
「ラギーの野郎、余計なことしやがって…」
レオナがグルルルと不機嫌そうに喉を鳴らすと
『レオナサン!』
『レオナ先輩!」
とまたしても聞き覚えのある声
マジフト部の後輩であるエペルと
サバナクロー寮の後輩であるジャック
結局ジャックにまでチケットは回ったようだ
「レオナサン、たんげかっこよがった!わぁもレオナサンみてーになりてえ!」
「ッス!レオナ先輩誰よりも綺麗だったっす!やっぱり俺の憧れっす!」
目をキラキラと輝かせ尻尾をブンブンと振るジャックに
ファレナが声をかける
「やあ、君がジャック君だね。いつもレオナが世話になっているよ。」
「いえ…むしろ先輩には世話になってばっかりっす」
そう言いつつジャックの尻尾は大きく揺れっぱなしだ
次にファレナはエペルに声をかける
「そして君がエペル君だね。マジフトを頑張っているそうじゃないか。」
「俺…あ、僕はこのとおり小さくて、女みたいだって舐められやすいんです。でも、その分小回りが利いて奇襲に向いてるんだってレオナサンに言われました!」
「ほぉ…。なんだかんだでレオナはよく人を見ているんだねぇ」
感心するファレナをよそに、レオナは余計なことを言うなと言わんばかりに尻尾が不機嫌に揺れている
「そうだ、レオナの晴れの舞台を記念して今夜は家でパーティーをするんだ。せっかくだから君たちも来なさい。上質な肉が手に入ったんだ」
「え!肉!?行きたい!…です」
目を輝かせて行きたがるエペルに対しジャックは遠慮がちに
「せっかくですが国王様。俺らは学生でよそ行きの服も持ってないですし…」と言った
王族直々に誘われるなど滅多にあることでもなければ
一般庶民が王族のパーティーに顔を出すなど
一生かかってもあるかないかだ
ジャックが遠慮するのも無理はない