第8章 脱出 ★
『ん…っ…あ…っ!』
俺の冷たい手が直に触れたことで、想像以上の刺激となったようだ。
彼女は舌を絡ませるのを止め、顎を仰け反らせて声を上げた。
その瞬間ホルターネックで隠されていた彼女の首が、俺の目の前に晒された。
俺はそこに、唇を寄せリップ音を立てて触れていく。
同時に、胸の突起も円を描くように触れる。
『んぅ…や…っ…』
俺の一つひとつの動きに合わせて、体を震わせる彼女。
その姿を俺は、愛おしく思う。
俺は、彼女の耳元に唇を寄せた。
赤:「可愛い…」
『あ…っ…』
言葉と共に彼女の耳に、俺の吐息がかかった。
その吐息にも、彼女は体を震わせて反応する。
俺は煽られて、彼女の耳を軽く噛んだ。
『ん…っ…やぁ…』
その瞬間、彼女の上体が大きく弓なりになった。
俺は彼女がベッドに沈み込む前に、彼女の背中に手を回して受け止める。
その反動で滑らかなドレスが、彼女の上半身から滑り落ちた。
薄暗い灯りに、彼女のほんのりと上気した白い肌と色素の薄い胸の突起が浮かび上がる。
その姿に、俺の欲望がさらに熱を持った。
赤:「ミア…綺麗だ…」
俺は彼女の名前を耳元で囁く。
今まで呼ぶことがなかった名前を。
彼女が思っている人物と同じように、彼女のファーストネームを。