第4章 この道、桜吹雪につき。注意。
●藤堂 天● 〜校庭〜
私に開け口とは逆の方を向けて倒れているポテチの袋が、目に入ってきた。
『あ"…あ"ぁ…』
終わった。
見えないけど、多分終わった。
3秒ルールという選択肢はもうなかった。
あれはもうポテチじゃない。ゴミだ。
そもそもこの環境下では、3秒ルールすら適応外だ。
自分が出してしまったゴミを放置しておくこともできず、回収するために数メートル先に吹っ飛んだ袋の元に歩き出した。
…どのくらい溢れてる?
「ちょっとだけ…ちょっとだけ…」。
今更念じたところで仕方ないんだけど。
生き残りポテチが多いことを願いながら、覗き込むように中腰になった。
『結構いってんなこれ…』
結果、結構いってた。
袋の中から飛び出して緑の芝生にダイブしたポテチは、“生き残りと同量”ってところだろうか?
つまり、かなり多い。
『畜生…大容量…私畜生…』
完全に自業自得だってことは、分かってはいるけど。
生き残りポテチに対しては大きすぎる袋を見て、しゃがみ込まずにはいられなかった。
「まぁ、ゼロよりかマシか…」。
そう思わないと、やってられなかった。
『どうすっかな〜これ…』
地面に対して下向きになっていた方の面に付着した、“何か”をはらうように、ポテチの袋を手の甲ではたきながら、ゴミポテチの処理に迷った。
ポテチって、原材料じゃがいもだよな?
あと塩?油?
つまりは野菜とミネラルと脂質…
そう考えたら、やることは簡単だった。
それは…
『自然に帰りな…』
自然の力に任せる。
人間の消化器官でバラせるものならいけるだろ。
こうして私は、生き残りポテチを手に、循環ポテチに背を向け。
再び木の根元に歩き出した。
…その時、なんとなく考えた。
『鶯…ポテチ食うかな?』