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宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第4章 この道、桜吹雪につき。注意。


●藤堂 天● 〜校庭〜


『ったく…驚かせやがって…』


眩しささえ感じてしまうほどの、光の下に消えていくのを見送りながら、そうは言ってみたけど。
あの鶯を憎むことはできなかった。


むしろ、悪いことしちまったな…
私が逃げ込んできたこの場所は、もともとあの鶯のものだ。
木にとまって休んでいたところに、自分の体の何倍もデカいヤツがいきなり入ってきたら。
そりゃ逃げたくもなるか…


だから、さっき感じた「見つけてもらうのを待っていた」って言うのは、勘違いだと思う。


虫に怯え、四肢を振り回しながら謎の舞をしてる私を見て。
「このデカイだけの生き物は何をしてるんだ?」っていう、生き物の本能…
言うなれば、好奇心のようなものが働いただけで。


だから、舞をやめた私を見て、ただ立ち去ったのかもしれない。
ほんと、しょうもないことで鶯を追い立ててしまった。


けど翼のある生き物にはどうしたって追いつけないし。
謝ったところで鳥に通じるわけがない。


…だから。
鶯の止まっていた木の根元に、私はしばらく腰を下ろした。
鶯が飛び立ってまで空いた空間を、そのまま放置するのはあまりにも勿体無いから。


『ほんと休まらねぇ…』


虫騒動といい。部活勧誘といい。
前者に関しては自業自得だけど、後者は…


…つか、“部活勧誘”で思い出した。
自分で言っててなんだけど。


楽器できて、野球部ばりに肩が強い、シャトルランが200超え、料理の腕まで馬鹿高い、ボディービルダー顔負け体系、全泳法が上手い大男とか…


そんなのタメでいてたまるか!!


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