第4章 この道、桜吹雪につき。注意。
●藤堂 天● 〜校庭〜
私は確か、吹部のブース前にいたはずなのに。
なんで部活別の6人の先輩に囲まれて、勧誘を受けているんだろう?
「ダメダメダメ!ねぇ、きみ!
お菓子好きなら調理部に入りなよ!」
“好き”は好きでも食う専門です!
作る専門になる気はねぇです!
「いや!僕はキミの水着姿が見てみたいな!!」
それは普通に怖ぇーです先輩!
つかなんか着てください、心配になりますから!
「いやいや、是非とも肉体改造部に!
一緒に美を追求しよう!」
なに肉体改造部って?!
え、ボディービルダーに改造されんの?!!
つか”美”ってなんのだ?!!
「ダメ!吹部!絶対吹部だよね?!」
「マネージャーの話もまだ終わってないぞ!!」
「打点率の高さを無駄にするな!
バドをやろう!!」
東京の高校生半端ねぇ!!!!
ダメだ。
完全に先輩たちからいいカモにされてる。
新入生を取り込むことに、これほど力を注いでいるとは思わなかった。
断るにも、私が口を開ければ誰かの声が被さる。
言い終わるのを待ってから、再び口を開けてもやっぱり別の声が被さる。
こんな状況じゃ、いつまでたっても抜け出せない!!
これは…もうこうするしか!!
決意を固めた私は、両手で抱えていたポテチの袋を左手でしっかりと掴み。
歩いてきた方向に体を振りかぶり、開いた方の右手で校門をビシッ!と指差した。
右手と共に視線を校門に向けると、大きな声で…
『あぁ~~~!!
あそこに、楽器が出来て肩も強い
シャトルランが200超えで
ボディービルダー顔負け体系の
料理とFreeが上手そうな
大男がぁ~~~!!』
「「「「「「 なに?!! 」」」」」」
その言葉だけを置き去りに。
私はダッシュでその場から逃げ出した。