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宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第4章 この道、桜吹雪につき。注意。


●藤堂 天● 〜校庭〜


分かっているなら話は早い。
そもそも、分かっているならなぜ勧誘出来たんだ?


『ソフトボールならまだしも、
 野球部に女の私が関与できる術なんて』

「マネージャー!やってみないかい?!」


さっきまでと変わらず、被せ気味に聞こえてきたその言葉に耳を疑った。


『ま…マネージャー?』

「あぁ、新入生からも1人抜擢したくてね!
 キミみたいな可愛い子に、
 是非ともお願いしたい!
 部員のやる気もきっと上がるよ!」

『は…』


はぁ〜?
やる気…だぁ?
そんなことのために、誰が男子のお守りなんか…


これがもし、ソフトボール部からの勧誘で。
かつ、「選手になってくれ!」と言われていたなら、断るのに骨を折っていたと思う。
私には、吹部相手に苦労した実績があるから。


でもこれは別の話だ。


選手としてだろうが、マネとしてだろうが変わりない。
これは断る一択。


「有望な子をサポート側にまわらせて表に出さないなんて、あんたどういうつもりなのよ?!!」という吹部の先輩からの言葉は全無視で、野球部の先輩は期待の眼差しを向けてくる。
断られるとは微塵も思っていないような笑顔で。


申し訳ないとは思う。
思うけど、私に「部員のやる気」を引き出す気はない。
だから、断ることに迷いはなかった。


『いや…申し訳ないんですが、私はマネ』

?「ちょっと待ったー!」


またしても、私の声に別の誰かの声が重なる。


何か重要なことを言おうとすると、いつも邪魔が入る…


「今度はなに?」と思いながら、声のしてきた方向を見た。
その声につられたのは、吹部の先輩も野球部の先輩も同じだったようで…


「『 ん? 』」


みんな揃って送った視線の先には、


?「君には我らバド部に来て欲しい!!」


ユニフォームであろう半袖短パン姿に、バドミントンのラケットを持った男の生徒がいて、そう口にしていた。
先輩であることは、明確だった。


あと、これはどうでもいいんだけど。


「待ったー!」ってやる人。
リアルにいるんだな。


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