第10章 チャイムの鳴る前に
●リコ side● 〜図書室前〜
ーちょっと前ー
「ボクが事情を話して連れてくるので
先輩方はここで待っていてください」
黒子がそう提案してきたため、リコは「それがいいわよね」と賛同して頷いた。
黒子はそれを確認すると、踵を返して歩き始めた。
図書室前に佇む、藤堂 天の元へ。
リコと伊月は、それを静かに見守っていた。
黒子がなかなか本題に入らないため、何度か痺れを切らしそうになった。
挙げ句の果てには、非力さを披露した上に藤堂 天に救出されていた。
そのあまりの危なっかしさに、リコと伊月は肝を冷やした。
少し間違えれば、たまらず飛び出していたかもしれない。
しかし、ついに黒子が切り出した。
「迷惑ついでに、すみません…
もう一つ頼みたいことがあるんですが」
『頼み?私にか?』
「会ってもらいたい人たちがいるんです」
『会ってもらいたい人?私に??』
「はい」
『なんで?
てか…それ誰?』
「それは、実際会ってもらってからで…」
『なんだそれ??
まぁ…良いけどさ、そのくらいなら』
…という会話に反応して、リコと伊月は急いでそちらを盗み見る。
すると黒子が、藤堂 天を連れてこちらに向かってくるのが見えた。
2人は心の中でガッツポーズをキメた。