第10章 チャイムの鳴る前に
●天 side● 〜図書室前〜
「重いですよね?僕が運びますよ。」
そう言って黒子は、天の抱える冊子の山に手を伸ばした。
しかし…
『え…?』
「ん?どうかしましたか?」
『黒子くん…が?これを??』
天は、黒子の親切心からくるその申し出に対して、困惑の色を見せた。
そして、「あまり気乗りしない」という様子で、
『これだいぶ重いと思うけど…持てるのか?』
と言って、「う〜ん」と唸ってみせた。
その様子が、黒子はいささか気に入らなかったようで、「失礼ですね。僕だって男の子ですよ?」と言って眉を顰めた。
その変化に気づいた天は、機嫌を損ねるような言い方をしてしまったことを悔やんだ。
そして、「いや馬鹿にしたとかじゃなくて」と、慌てて言い直した。
『これは男子でもだいぶ厳しいと思うけど…』
「いいですから、任せてください。
早くしないと昼休み終わっちゃいますよ?」
「気が進まない」という様子で、一向に渡そうとしない天に痺れを切らして、黒子は冊子の山の一番下に手をかけた。
そしてついに、天は「本当に大丈夫なんだな?」と躊躇しながらも、黒子に任せることに決めた。