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宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第10章 チャイムの鳴る前に


●黒子 side● 〜図書室前〜


 ーちょっと前ー


高木から事情を聞いた黒子はその後、教室の外で待っていた先輩2人を引き連れ、1-Bから移動した。


藤堂がいるであろう、図書室へと…


廊下と階段を駆け抜け、再び廊下を駆け抜け…
もう少しで目的地に辿り着くという、その時。
図書室から出てくる、一人の少女を目の当たりにした。


黒子はその姿を目に収めると、先輩2人にその場で歩みを止めるように促した。
伊月とリコは気づけなかったが、出てきた少女は藤堂だった。


3人は死角になる位置から、藤堂の様子を伺った。
そしてしばらくすると、


「さっきは気づけなかったけど…
 確かに、(“藤堂 天”の)面影あるわね」


と、リコが溢した。
自分が調べた姿に比べて、少し成長した姿ではあるが、その女子生徒が藤堂であることは疑いようがなかった。


「伊月くん」

「うん、間違いない。ポテチちゃんだ」

「それじゃあ…決まりなのね」


「ポテチちゃんと藤堂 天は同一人物」。
それが今、確かな事実となった。


そしてついに、黒子は次の行動に移った。


「ボクが事情を話して連れてくるので
 先輩方はここで待っていてください」


黒子のその提案に、リコは「それがいいわよね」と賛同して頷いた。
黒子はそれを確認すると、踵を返して歩き始めた。


図書室前に佇む、藤堂の元へ。


黒子が近づいても、藤堂は気がつかなかった。
その理由は、掲示物に夢中になっているからではないのだろう。


自分の存在に、一向に気付かない藤堂を前に、黒子が声をかけるタイミングを見計らっていると、


『ここの男バスって割と強いのか?』


と、藤堂がぽつりと呟いた。


その独り言に釣られて、黒子も藤堂を真似て掲示板の上へ目を走らせる。
そこには、“男子バスケ部 新人戦 関東大会出場!!”の文字。


気づけば黒子は反射的に、「えぇ、強いですよ」と、藤堂の問いに勝手に答えていた。


『うおっ?!!黒子くん?!』

「どうも」


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