• テキストサイズ

宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第10章 チャイムの鳴る前に


●天 side● 〜図書室前〜


 ー同時刻ー


『っし、教室戻っか…』


教師に…正しくは、高木が教師に頼まれた参考書を持って、天は廊下を歩き始めた。


昼休みという限りのある時間。
なるべく早く戻りたい一心で、天の歩調は自然と早くなる。


図書室前で2人…恐らく上級生と思われる生徒が、何やら話し合いをしているようであった。
「こんなところで何してんだ?」と天は思ったが、理由はすぐに分かった。


図書室から出て数歩もしないところに、大きめの掲示板がある。
2人の上級生は、そこに張り紙をしようとしていたのだ。


その証拠に、一人は紫色の張り紙を抑え、もう一人が画鋲で紙の四つ角を掲示板に留めている。
時折、「傾いてる?真っ直ぐなってる?」と微調整を加えているあたり、その真剣さが天にも伝わってきた。


だからなのだろうか?
思わず立ち止まってしまった。


2人の間から張り紙を盗み見ると、そこには「文芸部員募集中!」と大きく記されていた。
イラストにフリー素材を使っているところが、いかにも学生らしい。


天は確認したことに満足して、再び歩き出そうとした。
ところが、


『ん?』


またしても立ち止まることとなってしまった。


それまで張り紙する上級生に気を取られ、気付かずにいたが、広い掲示板には他にも掲示物があった。
天の脚を止めたのは、そのうちの一つ…


“男子バスケ部 新人戦 関東大会出場!!”の文字だった。


/ 417ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp