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宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第6章 偶然目があっただけ


●no side● 〜1年B組〜


顔を上げる最中、天は違和感を感じていた。


いくら自分がゆっくり顔を持ち上げているからと言って、いつまで経っても…


顔が、見えないのだ。


天の視線は、確かに上昇を続けている。
その証拠に、最初は“誰か”としか判断できなかった人影を、“男子生徒”と判断できる程度には、視界が開けているのだから。


それでも、彼女の視界には男子生徒の制服姿しか見えていないのも確かだ。


だから、更に顔を持ち上げる。


それでも、首の可動域にはいつか限界が来るもので。
今度は、机に預けていた身体が、自然に少しずつ起き上がり始めた。


図らずも、背筋が伸び始める。
天のその行動は、目の前の相手が規格外の体格を持ち合わせている、という事を静かに表していた。


天の前に現れた、その人物は。


一体…


そして。


やっと、目が合った…


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